パックンの「ハーバード流『聞く』技術」を読んでみた感想
ここ1年ほど、ずっと身に付けたいと思っているスキルがあります。
それは「傾聴力」。
話し方よりも聞き方の方が、コミュニケーションににおいて貢献度が高いと感じるから。
だけどつい、話題を横取りしたり、人の話を最後まで聞かずに結論を当てにいったりと、ただ素直に聞く事がなかなか出来ないんですよね。
なので、書店でこの、パックンことパトリック・ハーランさんの「ハーバード流『聞く』技術」見つけた時、これを買って真摯に勉強しよう、と心に誓いました。
パックンをそんなに知らなかったので、どのような文章を書くのか興味があったのですが、日本の文化とアメリカの文化の違いなどを入れ込みながら、親しみのある話し方で説明されていて、時々でてくるオチ、そして何より本当に「聞く」というテーマに沿った内容にとても感心しました。
この本を買って、聞くスキルを身につけると誓ったので、忘れないように内容を含めた感想を備忘録として残したいと思います。
パックンは、「きく」事を以下の4つに分類して説明しています。
① 聞く hear
⓶ 聴く lithen
⓷ 訊く quest
⓸ 効く effect
一つ目の「聞く」は人の話を聞く事です。
この時、自分の思考癖や、この人はこういうタイプだからといった決めつけをなくし、フラットな状態で話を聞くようにする事で、本当の「聞く姿勢」になれます。
人からの注意やアドバイスに反発心を持つのではなく、本当にその中身を聞こうとする事で、人から学ぶ事が出来るという事。
二つ目の「聴く」は相手をより理解しようという気持ちでアクティブに「聞く」事。
英語の hear と lithen の違いと似ていますね。hear は意識しないでも耳に入ってくる事を言うけれど、lithen は音楽に耳を傾けたり、その人の話の内容を理解しようと意識して聞く事。
パックンはこの「聴く」時に、相手がよく使う言葉や表現を意識して見つける事で、その人の価値観や大切にしている理念が見えてくる、と言っています。
受け身のように思える「聴く」事が、こんなにも相手の事を積極的に知ろうという行動になるとは、目からウロコでした。
私は普段ふんふんと聞き流して、次に自分が何を話そうかという事ばかり考えていましたから(^^; それじゃ人との距離が縮まるわけないですよね。反省です。
三つ目の「訊く」は質問する事。
訊く事で、相手も意識していなかった本音が聞ける事もあるし、スルスルと会話を自然に広げて盛り上げる事もできる、また、うわべだけの話に騙されないで済む事もある。
話の広がる質問の作り方は、相手の話から瞬時にいくつもの質問を頭の中に挙げて、そこから面白そうなものをひとつ選んで訊く。そしてその答えからまた質問をいくつか考えていく、というもの。
特に、why や how から始まる質問は動機や過程が聞けるので話が膨らみやすい。
最後の四つ目の「効く」は今までの聞き方が、今後の自分の人生に「効いて」くる、というもの。
バイアスを外し、自分の考え方を自分でwhy?と訊いていく事で、本当に自分がしたかった事、動機、が見えてきます。
また、相手の話をきちんと聞く事で、相手の求めている事が理解でき、自分と相手の双方に都合のよい解決案を見つけられるようになる。
何とか商品を買わせよう、と営業トークをまくしたてるのではなく、相手の望むものを理解して、お互いにメリットのある提案をする姿勢になれる、という事。
そのために今までの「聞く」「聴く」「訊く」があるんだという事がわかります。
内容が面白く、あっという間に読み終わってしまった本でした。
「聞き方」についてとても勉強になりました。
特に意識したいと思ったのは、相手の話を「アクティブリスニング」する、という事。
話を聞く時は、その人の価値観や理念を知る、学ぶ時間だ、と意識する事で、真摯に人の話を聞けるようになりますね。
今までは誰かが話していると、ツッコミなどをしてその人の話をすぐ終わらせようとする事が多かった最低な私ですが、今後は人の話を先読みしないで素直に聞き、その人の考え方が知れてかつ、話の広がる質問が出来る人になりたい、思いました。
聞く事の本質やテクニックも大変勉強になりましたが、パックンならではのアメリカでの経験や日本との文化の違いを語ってくれていた事も、外国かぶれの私にはとても興味深い内容でした。
何が日本独特の聞き方で、何がアメリカでは「聞きたい」と思われている事なのか、など、日本人ではないパックンから聞けるのは楽しかったです。
パックン、為になる教えをありがとうございました(^^)